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TSE
ティ エス イーと書いて、ツェと読む。
そういうことを知るだけでも、一日得をした気分になる。

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久しぶりの水戸芸はとても気分が良くて、久しぶりに「美術館へ来た」という感慨に浸れた。
ツェのチケットの半券を冷蔵庫にマグネットで生活臭く貼っていて、「いい作家だなぁ」と単純にファンになっている。こういう気分も久しぶりだ。
展覧会のカタログの文章を浅井さんが書いていて、なんだか次の扉を開いてゆけそうな言葉の質がそこにありそうで、購買欲をかきたてられたが、荷物になるというやわな理由で、買わずじまい。
ツェ スーメイに憧れを持つ女性現代美術家はゴマンといそうだが、何故、ツェだけ浮上して、その他の4万9千9百あたりの作家たちは浮かばれないのだろうか?
そこらへんは美術界の構造にあると思う。

まぁ、浮かばれないな。
幾人もの名のある作家たちを思い浮かべても、だからどうした。そしてどうなる。という感を拭い去ることもできないし、特に基準を高めているわけではないけれど、どうしても、実のある作家がいないような気がする。
長期戦ではあると思うが、いったい誰の何のための現代美術なんだろうか?

くすくすと笑い声が隠れた場所から、漏れてくる。

水戸で血液交換をしたかのようなすがすがしい気分になって、帰京。行きも帰りも高速道路での交通事故に遭い、倍の時間がかかったおかげで、キャンプでの藤井 光と五の井の対談を聞き漏らす。あのかび臭い地下空間、全体的にセントラル イーストはカビ臭い。人間の感覚は優れたものでというか、騙されやすくて、あのかび臭さも、数分で慣れてしまう。そのような空間で醸されているのが、次の現代美術であることは、自明の理だが、過渡期の表現であるようにも思う。あの空間じたいが、何か間違っているような気もするが、あの場所を必要としている人々がいるのも、充分わかる。ボランティアをはじめた、そこで、という可愛らしい女性から説明を受けたが、地下の床に存在感たくましくある石の面。そこにかつては印刷機が置かれていたという。
その面に「PRINT」と大書して、その空間への、時代へのレクイエムとしよう。
階段を降りてきて、ふたたび昇る理由が特にみつからなくなる、素敵な展開が、CAMPにはあるように思う。

ツェのことを記し残そうと模索していて、もがいているわけだが、どの作品も過去に展示案として、幾人かの女性作家から提示されていたことを、不意に思い出して、嫌な汗を流す。特に噴水のアイデアは数人から違った形で提示された。このようなアイデアの共時性とは何なのだろうか?と悩む。
ツェの発表より、10年は前に彼女たちから提示されたから、今になって困っている。

そういう、大きな意味で、私はキューレターにはなりえないのだ。

私はとくに、新しさを求めていないし、驚きも求めていない。
とすると、ツェに求めたものはいったいなんだったのだろうか?

囲碁ではじまり、囲碁で終わった今回のツェの展示法は、私の頭の中の悩み事を白黒つけづに、響いてくる。
残像は日常生活に邪魔なものだが、ツェの作品から受ける残像は、清らかに美しく変換してゆき、こちらの生活を楽しませてくれる。
うきうきとした気分にすらなる。会場に来ていた人々も変に教条的な姿勢にならずに、部屋から部屋へ通過して行く様は、それ自体、美しくすらあった。

たぶん、メインの映像作品を問いただしていかなければなら無いのだろうけれど、そこらへんを語り始めるにはもう少し、時間と自分の中の無粋さ、が必要になってくる。
もしくは、新しい言語と、多大な語彙。

ツェのいいところは、変な罠をはらないところだろうか?
みずみすしい、森の中で、生息する生き物に出会ったような気がする。
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by docore | 2009-05-06 21:04 | 月を運ぶ
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